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それから1年位経ち、俺も帰国した。2年半のカナダ留学の後、俺は次にアメリカのロサンゼルスでギターの学校に行きたいと親に言ったら、OKしてくれたのだが、当時アメリカはビザの審査が厳しく、中卒の俺はビザが下りなかった。そこから高校の資格を得て、とかやってたら1年は経つのがもったいなくて、俺は、その学校の学費をネコババして上京した。

東京で、俺は一旗揚げる!そう思っていたが、現実は厳しく家賃と食費にバイト代が消えていく日々に恐怖した。やがてとあるバイトで安定した収入を得始めた俺は、また音楽を本腰入れてやるか。と思い、当時ハマり始めていたテクノを作るためにシンセやマックを買ったのだった。この続きは、P2P編に書いたと思う。

そんな時、俺は再び、ならおかキミナリに会うのである。彼がカナダで別れてから一体何をやっていたか。それがこのシリーズの山場になるだろう。彼は約一ヶ月かけて、アメリカ旅行をして、最終目的地に選んだのはフロリダ州タンパという街。え!あのタンパ?と思ったやつは相当なデスメタル好きだ。

そう。俺らデスメタルが好きなやつだったら、大抵しっている有名なモリサウンドスタジオというのがあって、そこに有名なスコットバーンズというプロデューサーがいる。デスメタルの名作は大抵そこで作られていた。(最近のは知らん)

そこに単身乗り込み、自分が所属しているバンドのデモテープをスコットバーンズに手渡したのだ。そして、最初に俺が出会った時に俺が着ていたTシャツのバンド、カンニバル・コープスがちょうど新作のレコーディングをしていた時で、彼らと1週間ほど寝食を共にしたというのである。


普通いる?そんなやつ。彼の並外れた行動力に俺はびっくりした。そしてこいつは本物だと思った。

つづく

ならおかファーム